盗撮事件の解決実績６

　被疑者が建物内の女子トイレにおいて小型カメラを設置し，盗撮した建造物侵入，公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反事件（盗撮）。
　被疑者は，後日警察に逮捕され，すぐに犯罪事実を認めました。

　本件では，被疑者が警察に逮捕されていましたが，当事務所の弁護士が弁護人として付いた後に，釈放されました。
　この事件では，小型カメラに写っていた被害者は勿論のこと，建物内に侵入したため，建物所有者との示談も必要になりました。そのため，弁護士は，建物所有者，盗撮被害者2名と示談交渉をしていきました。当初，各被害者は示談することに難色を示してましたが，弁護士が何度も足を運び，説明したことで，示談に対して前向きになり，最終的にすべての被害者と示談することができました。
　本件では，示談交渉の長期化が予想されたため，弁護士は検察官に処分を出すのを待ってもらっていました。そのような経緯があったため，検察官の処分が出る前に，すべての被害者と示談ができることになりました。弁護士はすべての被害者と示談ができたこと，被疑者が反省していることなど，被疑者にとって有利な事情を意見書に記載し，検察官に提出しました。その結果，検察官（東京地方検察庁）は被疑者を不起訴処分（起訴猶予）にしてくれました。

　盗撮事件では，示談がとても重要になります。今回の事件では，盗撮被害者だけでなく建物所有者も被害者になるケースだったため，示談交渉が複雑かつ困難なものでした。このような特殊なケースの場合，最初の時点からしっかり示談交渉をしていかないと，後で取り返しがつかなくなってしまいます。また，被害者1名とは示談できたのに，残りの人とは示談できず，結果的に不起訴処分にならないということもあります。
　盗撮事件を甘く考えてしまう人もいますが，そんなに簡単に不起訴処分にはならないので，しっかりと刑事事件の経験のある弁護士を付けて対応する方がいいでしょう。