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こちらでは,共犯(共同正犯,教唆犯,幇助犯)についてご説明いたします。
共犯とは,単独ではなく,複数人が共同して犯罪を行う場合をいいます。共犯には,共同正犯,教唆犯,幇助犯があります。
共同正犯とは,複数人が共同して犯罪を実行するもので,全員が正犯となるものです。例えば,2人で1人の被害者をボコボコに殴って怪我をさせた場合には,傷害罪の共同正犯となります。
教唆犯とは,他人をそそのかして,その者に犯罪を実行する決断をさせ,それに基づいて犯罪を実行させるもので,正犯と同じ刑が科されるものです。例えば,AがBに対して被害者を殴るようにそそのかして,それによりBが一人で被害者を殴って怪我を負わせた場合,Aは傷害罪の教唆犯となります。
幇助犯とは,犯罪の実行行為以外の方法で,正犯の犯行を容易にするもので,従犯として扱われます。例えば,Bが被害者を暴行する際に,Aが木製バットをBに貸してあげ,それにより被害者が怪我をした場合,Aは傷害罪の幇助犯となります。
2人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする。
1 人を教唆して犯罪を実行させた者には,正犯の刑を科する。
2 教唆者を教唆した者についても,前項と同様とする。
1 正犯を幇助した者は,従犯とする。
2 従犯を教唆した者には,従犯の刑を科する。
従犯の刑は,正犯の刑を減軽する。
共同正犯として,一般的にイメージするものとしては,犯罪の実行行為を共同して行うパターンだと思います。上でも述べたように,2人以上の人間で被害者を殴るなどのパターンは共同正犯(みんな同等に悪い)としてイメージしやすいと思います。
もっとも,共同正犯として刑事事件になるのは,このような犯罪の実行行為を共同して行うパターンばかりではありません。2人以上の人間が犯罪を共謀して,その共謀が実現された場合(共謀共同正犯)にも,共同正犯として扱われることになります。例えば,AとBが被害者を木製バットで殴り,怪我を負わせようと共謀(計画)し,その共謀に基づいて,Bが単独で被害者を木製バットで殴って怪我を負わせても,Aは共謀共同正犯ということで,共同正犯となり,Bと同じように正犯として扱われます。
刑事事件や少年事件で,複数人が絡む事件になった場合,実務上はまずこの共同正犯で検討することが多く,教唆犯や幇助犯が成立して,正犯より刑が軽くなることはそれほどありません。
教唆犯は,他人をそそのかすこととその教唆に基づいてそそのかされた者が犯罪を実行することが必要になります。そのため,他人に犯罪をすることをそそのかしたものの,その他人が実際に犯罪を実行しなかったり,実行したけれど,教唆と無関係だったりした場合には,教唆犯とはなりません。
また,この教唆犯と共謀共同正犯とは違いがよく分からない部分がありますが,自分の犯罪として共謀に関わった場合には基本的に共同正犯が成立します。そのため,実務上では,教唆犯が成立する場面は稀で,一般的に教唆犯と思われるような場面でも,共謀共同正犯として扱われることが多いです。
刑法第61条1項では,教唆犯も正犯の刑を科すとされていますが,これは法定刑の話であり,実際の裁判では正犯よりも軽い刑になる傾向にあります。そのため,検察が共謀共同正犯として考えている場合に,弁護人が共謀共同正犯ではなく教唆犯に過ぎないという主張をすることがあります。
幇助犯は,犯罪の実行行為以外の方法で,正犯の実行行為を容易にすることと幇助された者が犯罪を実行することが必要になります。幇助行為については,その手段,方法,態様に制限がなく,凶器を渡すなどの物理的方法は勿論のこと,正犯を心理的に励ますなどの精神的方法であっても幇助行為に当たります。また,幇助行為が正犯の犯罪実行に必要不可欠な行為でなかったとしても,それにより正犯行為が促進されていれば,幇助犯になりえます。さらに,友人が無免許であることを知りながら,友人が車を運転することを黙認し,その車に一緒に同乗した場合などのように,不作為(積極的に何もしていない)であっても,幇助犯は成立します。
幇助犯では,教唆犯との違いが問題となりますが,既に犯罪の実行を決意している者に対してその決意を促進させた場合が幇助犯であり,犯罪の実行を決意していない者に対して新たにその決意を生じさせる行為をした場合に教唆犯となります。
刑法第62条,第63条では,幇助犯は正犯の刑を減軽するとなっています。このこともあって,共同正犯ではなく幇助犯になれば,実際の裁判では正犯よりもだいぶ軽い刑になる傾向にあります。そのため,検察が共謀共同正犯として考えている場合に,弁護人が共謀共同正犯ではなく幇助犯に過ぎないという主張をすることがあります。
共犯事件になりやすい犯罪の一つ目は,恐喝罪・強盗罪です。この犯罪は被害者を脅して,金銭等を奪う犯罪であるため,複数人で関与することが想定されやすい犯罪です。また,リーダー格の人間が指示をして,その手下が実際の犯行に及ぶという形式も想定されやすい犯罪なので,他の犯罪に比べて,共犯事件になる傾向が高いです。恐喝罪・強盗罪の共犯事件では,被疑者がどのような役割であったかによって,処分・判決の重さが変わってきますので,その点をしっかり把握していくことが重要です。
共犯事件になりやすい犯罪の二つ目は,詐欺罪です。結婚詐欺のような1対1の関係で行うパターンもありますが,最近は組織的詐欺(振り込め詐欺,給付金詐欺など)が横行しており,共犯事件として刑事事件化されることが増えています。組織的詐欺の場合,その組織の中でどんな役割を果たしたのか,どれほどの利益を受けたのかということが重要になってきます。
共犯事件になりやすい犯罪の三つ目は,傷害罪です。これはイメージが持ちやすいと思いますが,暴走族同士の喧嘩のように,集団と集団で喧嘩になる場合には,当然に共犯事件になります。傷害罪で共犯事件になるケースでは,比較的若い人が被疑者になっていることが多いです。
共犯事件については,単独犯の事件よりも,身体拘束期間が長くなりやすい,示談が難しいなどのデメリットがあります。また,被疑者以外の共犯者の事情が自らの処分・判決にも影響を与えてしまいます。そのため,捜査段階の早い時期から,刑事弁護に精通した弁護士を付けておく必要が単独犯の事件よりも高くなります。
被疑者が共犯者と共に被害者宅に侵入し金銭を奪ったとされる住居侵入,強盗致傷被疑事件(共犯事件)で,被疑者は逮捕・勾留されることになりました。この事件では,被疑者が無実を主張していたため,弁護士はすぐに被疑者の拘束されている警察署に接見に行き,被疑者に自己の主張をしっかりと警察官,検察官に話すように指導し,取調べにおける注意事項などをアドバイスしていきました。
また,弁護士が弁護人として付いてからは,弁護士が共犯者供述やその他の人間の供述を収集して,被疑者の供述の裏付けを取り,それを基に検察官宛に嫌疑不十分による不起訴処分を求める意見書を提出していきました。その結果,勾留期間満期前に,被疑者は共犯者より早く釈放されました。
その後,検察官は,共犯者に対する捜査を経て,被疑者に犯罪が成立しないとして,被疑者を不起訴処分(嫌疑不十分)としました。
被疑者が繁華街で友人と遊んでいた際に,警察官の職務質問を受けて,友人の車から大麻が発見された事件で,被疑者は大麻の共同所持(大麻取締法違反)ということで友人と共に逮捕・勾留されました。
被疑者は,逮捕当初から大麻は友人の物で自分は全く関係ない旨を主張していました。弁護士も被疑者の供述が十分に信用できるものであったため,被疑者に自分の主張をしっかりと貫くようにアドバイスしました。また,被疑者が警察や検察の取調べで心が折れそうになっていたため,弁護士は頻繁に警察署に接見に行き,被疑者を毎回励ましていきました。弁護士は,検察官に対して大麻が発見された場所や被疑者の事件前の行動などから被疑者の供述が真実であることを強く主張しました。その結果,検察官は被疑者の主張を聞きいれ,被疑者を嫌疑不十分で不起訴処分(被疑者が罪を犯したとする証拠が不十分であるとして,検察官が被疑者を起訴しない処分)にしました。
被告人がオレオレ詐欺に加担したとして詐欺未遂罪(共謀共同正犯)で逮捕・勾留され,その後に起訴された事案で,被告人は共謀及び故意を否認していましたが,弁護人が起訴直後に東京地方裁判所に対して保釈請求書を提出して,保釈請求を行った結果,共犯者の中で被告人のみ保釈が認められました(起訴後2日での保釈)。
裁判では,今回起訴された事件について被告人には共謀がなかったことを主張していきましたが,裁判所は個別の共謀は不要として,被告人に詐欺未遂罪の共謀共同正犯を認めました。
もっとも,本件では弁護側が主張した本件振り込め詐欺に関する被告人の関与が薄いことや被告人自身が全く利益を受けていないことなどが裁判所に認められた結果,被告人は最後まで共謀及び故意を否認していましたが,裁判所は組織的な振り込め詐欺の事件では異例の執行猶予判決を下しました(検察官の求刑は懲役3年)。
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