埼玉県の犯罪情勢

　被疑者が共犯者と共に覚せい剤や麻薬を共同所持したとされる覚せい剤取締法違反，麻薬及び向精神薬取締法違反被疑事件で，被疑者は逮捕・勾留されることになりました。この事件では，被疑者が無実を主張していたため，弁護士はすぐに被疑者の拘束されている埼玉県警浦和警察署に接見に行き，被疑者に自己の主張をしっかりと警察官，検察官に話すように指導し，取調べにおける注意事項などをアドバイスしていきました。
また，弁護士が弁護人として付いてからは，被疑者の供述を細かく聞き取った上で，これまでの同様の事例などを基に，検察官宛に嫌疑不十分による不起訴処分を求める意見書を提出していきました。その結果，勾留期間満期前に，被疑者は釈放され，検察官（さいたま地方検察庁）は，被疑者に犯罪が成立しないとして，被疑者を不起訴処分とし，被疑者の無実が証明されました。

　被疑者がホテル内において被害者とされる女性に対して暴行を働き，性行為を行ったとして，警察（埼玉県警）に逮捕・勾留された強制性交等被疑事件。

　本件は，逮捕当初から，被疑者は性行為をしたことは認めていたものの，①暴行や脅迫はなかったこと，②強制性交等罪の故意はなかったことを主張し，犯罪事実を争っていました。そのため，弁護士は，被疑者に対して，取調べにおいて重要なポイントを説明し，被疑者の主張において有利な部分をしっかりと警察や検察に説明するようにアドバイスしました。また，弁護士が事件現場に赴き，被疑者の主張を客観的に裏付ける証拠を確認しに行きました。
　本件では，相手と性行為をしたことには争いがなかったため，これらの弁護活動と並行して，弁護士は被害者とされる女性との示談交渉も進めていきました。本件は起訴された場合，実刑判決も覚悟しなければならない事案でしたが，度重なる示談交渉の結果，勾留満期直前に，被害者代理人弁護士との間で示談書を取り交わすことができました。
　本件では，被疑者の主張が一定の説得力を持ち，被害者との間で示談もできていたことなどから，検察官（さいたま地方検察庁）は，被疑者を起訴することなく，不起訴処分としました。

約1年半前に児童買春の前科を有していた被告人が再度児童買春，児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反で起訴された事件で，弁護士は被告人が埼玉県警に逮捕直後から，弁護人として付きました。本件で被告人が起訴された直後には，保釈の必要性を記載した保釈請求書を裁判所に提出して，保釈請求を行い，被告人の保釈が認められました。
　裁判（さいたま地方裁判所越谷支部）においては，被告人の妻の監督や被告人の反省，しょく罪寄付などが評価され，検察官（さいたま地方検察庁越谷支部）の求刑が懲役1年6月であったところ，裁判所は，懲役1年6月，執行猶予3年の執行猶予判決を下しました。