盗撮事件の解決実績５

　被疑者が電車内で女性のスカートの中をスマートフォンで盗撮しようとして神奈川県警に検挙された神奈川県迷惑行為防止条例違反事件（盗撮事件）。
　被疑者は，警察官から最初に事情を聞かれた際に，虚偽の供述を行い，犯罪事実を否認していました。

　本件では，警察での最初の事情聴取の後に，当事務所の弁護士が弁護人として付きました。当初，被疑者は弁護士に対しても虚偽の供述をしていましたが，弁護士が被疑者に対して，「明らかに虚偽だと分かる供述をすることは逮捕などの強制捜査に繋がる。」ということを伝え，被疑者に真実の話をするように説得していきました。その結果，被疑者は弁護士に対して自分が盗撮しようとしていたことを認め，警察に対しても真実を話すに至りました。警察は，当初被疑者が否認していたことから，被疑者を逮捕する方向で考えていましたが，弁護士が被疑者と共に警察署へ出頭し，担当警察官に事情を説明した結果，警察は被疑者の逮捕を控えてくれました。
　本件では，目撃者がいるのみで，被害者が特定されていなかったことから，被疑者はしょく罪寄付を行うなどして，反省の気持ちを示していきました。そして，弁護士はしょく罪寄付をしたことなど，被疑者にとって有利な事情を意見書に記載し，検察官に提出しました。その結果，検察官（横浜地方検察庁）は被疑者を不起訴処分（起訴猶予）にしてくれました。

　多くの人が勘違いしていますが，「罪を認めている=逮捕される」というわけではありません。罪を認めていなくても，話の内容が明らかに虚偽だと思われるような場合には，逮捕されてしまいます。
　それぞれの事件によって，状況は様々ですが，警察に対してどう対応するかを弁護士に相談することは非常に重要だと思います。本件のように，しっかりと罪を認めたことで，逮捕されず，前科が付かないこともあります。