不同意性交等事件の解決実績５

　被疑者が共犯者と共に飲み会で出会った女性を共犯者宅に連れ帰り，共犯者宅において被害者の胸を揉むなどのわいせつ行為をして，警察に逮捕・勾留された準集団強姦未遂被疑事件。
　被疑者は，逮捕時点から被害者が泥酔していたことや被害者にわいせつな行為をしていたことなどは認めていました。

　本件では，逮捕後に当事務所の弁護士が弁護人に付きました。集団強姦罪は非常に重い犯罪であり，被害者との示談が不可欠であるため，弁護士は直ちに被害者との示談交渉に着手しました。しかし，被害者の被害感情が峻烈であったことに加えて，集団強姦未遂という非親告罪（告訴なしでも公判請求できる犯罪）で警察から検察官に送致されていたため，告訴の取消しに加えて，宥恕文言の入った示談を成立させる必要があり，被害者との示談交渉は難航しました。
　弁護士が勾留期間中に何度も被害者と示談交渉を行った結果，被害者は，被疑者と示談をしてしまったら，被疑者の反省の気持ちが薄れてしまうのではないかと思っていたことが分かり，弁護士は被害者に対してその点の心配を解消するための方策を提示しました。その結果，被害者は示談への障壁がなくなり，示談をすることに応じてくれました。
被害者との示談が成立したことにより，検察官は被疑者を不起訴処分（起訴猶予）とし，被疑者を釈放してくれました。

　性犯罪の自白事件では，出来るだけ早く被害者と示談することが重要です。ただ，急ぎすぎてしまい，被害者の心情をないがしろにしてしまうようなことになっては，元も子もありません。被害者の痛みと向き合いながら，しっかりと被疑者の反省を被害者に伝えることこそ，弁護士に求められた役割だと思います。