盗撮事件の解決実績３

　被疑者がエスカレーターにおいて女子学生のスカートの中をスマートフォンで撮影して神奈川県警に現行犯逮捕された神奈川県迷惑行為防止条例違反事件（盗撮事件）。
　被疑者は，1年前にも盗撮の前歴があり，前の事件でも女子学生をターゲットにしていました。

　本件では，被疑者が現行犯逮捕されましたが，当事務所の弁護士が逮捕直後にすぐに接見に行き，弁護人となりました。そして，弁護士は，被疑者との接見により得た情報を基に意見書を作成し，翌日に検察庁に意見書を提出しました。被疑者には前にも盗撮をして刑事事件になったことがありましたが，検察官は被疑者の勾留を求めず，被疑者は無事釈放されました。
　その後，弁護士は，被害者の保護者と示談交渉を行い，被害者側の不安を払拭していきました。その結果，被害者との間で示談が成立しました。また，被疑者は短期間に盗撮行為を繰り返していたことから，弁護士は被疑者に対し，性犯罪に関する治療を本格的に行うように指導し，被疑者の両親にも被疑者の通院をサポートするように指導していきました。そして，弁護士がこれらの事情を意見書にまとめて，横浜地方検察庁の検察官に提出した結果，検察官は被疑者の再犯防止の取り組みや示談が成立していることを高く評価し，被疑者に盗撮の前歴があったものの，被疑者を不起訴処分（起訴猶予）としました。

　盗撮事件では，被疑者に前科や前歴があるケースもよくあります。不起訴処分を勝ち取るためには，被害者との示談も重要ですが，被疑者が二度と盗撮行為をしないと思えるだけの環境を整備することが重要になっていきます。本件でも，被疑者の家族が被疑者の更生を真剣にサポートしていたことが検察官にいい印象を与えたものだと思います。